【こんな悩みや疑問はありませんか?】
・社内SEは「やめとけ」という意見を聞くけど、なぜ「やめとけ」と言われているのだろう?
・社内SEに興味がある。ただ、転職して失敗はしたくない。
・いまSIer/SEで大変…ワークライフバランスが改善するなら社内SEも経験してみたい!
今回は、こういった悩みや疑問に答えていきます。
本記事でわかることは以下のとおり。
✓社内SEは「やめとけ」と言われている理由がわかる
✓社内SEの魅力や向いている人・向いていない人の特徴がわかる
私は新卒で大手SIerに入社し、5年間SEとして働きました。
その後、2019年に某日系大手メーカーに転職し、現在は社内SEとして働いています。
社内SEになって3年経つので(2022年時点)、社内SEが「やめとけ」と言われる理由を実体験から解説できます。
社内SEのネガティブな面を把握したい方、社内SEになってワークライフバランスを改善したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
社内SEは「やめとけ」と言われる5つの理由

社内SEは「やめとけ」と言われるおもな理由を以下5つ解説します。
①社内調整が多い
社内SEは社内調整が多いです。
社内SEのミッションはITの開発ではなく、ITをビジネスに組み込んで売上アップや業務効率化を図ることです。
そのためには、社内の各関係部署との調整が不可欠になります。
社内調整とは、たとえば「各部門の関係メンバの予定表を見て、空いているところに会議を設定する」といった事務的な調整業務も含みます。
社内SEをやっていると、自分が「エンジニア」というよりも「調整屋さん」になった気分になることがあります。
②IT以外の仕事も多い
社内SEは一応「SE(システムエンジニア)」という肩書きを持っていますが、実際はIT以外の仕事も多いです。
たとえば、以下のようなITに直接関係しないやり取りもよくあります。
・費用負担の調整(どの部門がどのくらいお金を払うか?の調整)
・請求書の処理、注文書の返送などの経理系の仕事
やはり、「エンジニア」というよりは「調整屋さん」「何でも屋さん」といった立ち回りになるでしょう。
③周りのITスキルが低く、物足りなさを感じる可能性がある
メーカーなどの事業会社は、IT職以外の社員のほうが多いです。
よって、周りのITスキル・ITリテラシーはSIerなどのIT企業よりも下がります。
相対的に自分のITリテラシーが高くなるため、教わる側よりも教える側になることが圧倒的に多くなります。
人によっては物足りなさを感じる可能性があるでしょう。
④社内では「脇役」のポジションになる
誤解をおそれずに言うと、社内SEは「脇役」です。
主役である商品やサービスに直接関わる部署(企画・設計・開発・営業など)をいかにITでサポートできるか?が社内SEの価値と言えます。
裏方としてのサポートに徹することが好きな方は問題ないですが、「脇役」であることに不満を覚える方もいるでしょう。
⑤IT技術力が向上しにくい
社内SEだとIT技術力が向上しにくいです。
なぜなら、社内SEは先述のとおり「調整屋さん」になることが多く、システム開発などの実務はITベンダーやSIerにお願いすることになるからです。
それにより、IT技術力向上につながる業務時間が減ります。
IT技術力がまったく伸びないとまでは言いませんが、自分から能動的に学習しないとIT技術力はどんどん落ちていきます。
「やめとけ」は本当?社内SEで働く魅力を紹介

上記では、社内SEは「やめとけ」と言われるおもな理由を解説しました。
これだけ聞くと、「じゃあ本当に社内SEはやめておいたほうが良いな…」と思うかもしれません。
しかし、社内SEで働く魅力ももちろんあります。
魅力がなければ、私自身、社内SEを3年も続けていませんので(笑)
以下では、社内SEの魅力を5つ紹介します。
①SIerほど残業が多くない
社内SEになると、SIer/ベンダーSEよりも残業が減ることが多いです。
職場によって変動はしますが、全体的な傾向としては社内SEのほうが残業は少なくなります。
私自身も、SIer時代よりも社内SEになってからのほうが残業が減りました。
社内SEになってからは、夕方18時台のニュースを見る機会も増えましたね(笑)
②夜勤や土日対応が少ない
社内SEは夜勤や土日対応も少ないです。
夜間や休日のシステムメンテナンスを担当するのは、基本的にSIer/ベンダーSEになります。
社内SEはシステムメンテナンスの報告を受ける側なので、夜勤や土日対応をすることは基本的にありません。
私自身も、社内SEになって3年間、1度も夜勤や土日対応をしたことがありません。
③システム障害対応が少ない
上述したとおり、システムメンテナンスを担当するのは基本SIer/ベンダーSEなので、社内SEはシステム障害対応も少ないです。
SIer/ベンダーSEで働いていると、システム障害時に急な電話呼び出しをくらうこともあるでしょう。
一方で社内SEはシステム障害連絡を受け取る側になるので、急な呼び出しは基本的にないです。
私自身も、社内SEになって3年間、1度もシステム障害時に呼び出されたことはありません。
④働く場所の制約が少ない
社内SEは働く場所の制約が少ないです。
基本的にパソコン1台あれば仕事ができるので、職場が許せば在宅勤務やリモートワークも可能です。
実際に、私はほぼ毎日在宅勤務をしています。
社内SEは物理的なサーバーメンテナンスなどを行わないので、基本的に出社する必要がありません。
⑤経営やビジネスに携わるチャンスが増える
社内SEはIT職種でありながらも、経営やビジネスに携わる機会が多いです。
なぜなら、社内SEは他の企画職や営業職と同じく、事業会社の一員だからです。
SIer/ベンダーSEはいかにQCDを担保してシステムをリリースするか?という点に注力しますが、社内SEではそのようなQCD制約はありません。
その代わりに、経営やビジネスをより良くするための施策に頭を使う機会が増えます。
社内SEに向いている人の特徴

ここまでを総合すると、社内SEに向いている人の特徴は以下のとおりだと言えます。
ワークライフバランスを重視したい人
ワークライフバランスを重視したい人は、社内SEに向いています。
社内SEになると、SIer/ベンダーSEよりもワークライフバランスを図りやすくなります。
残業時間や夜勤、休日勤務が減り、仕事以外に充てられる時間が増えるためです。
夜勤や休日勤務、突発対応を避けたい人
同じIT職でも、社内SEは上述のとおりSIer/ベンダーSEよりも夜勤や休日勤務、突発対応が少なくなります。
自身の健康面が気になる方、不規則なワークスタイルを続けることが難しい方は、社内SEのほうが向いているでしょう。
スペシャリスト志向よりもジェネラリスト志向な人
ジェネラリスト志向な人は、社内SEに向いています。
社内SEはITに限らず幅広く「調整屋さん」として立ち回ることも多いので、そのような働き方が許容できる人は問題ないでしょう。
社内の調整業務が苦にならない人
社内の調整業務が苦にならない人は、社内SEに向いています。
社内SEは、IT部門以外を含むさまざまな部門とのコミュニケーションが発生します。
なかには、やり取りしにくい関係部署の人ともコミュニケーションを取らなければならない場面もあります。
よって、対人調整・対人コミュニケーションが苦にならない人のほうが社内SE向きです。
専門的なIT職よりも幅広くビジネスを俯瞰したい人
幅広くビジネスを俯瞰したい人は、社内SEに向いています。
社内SEは事業会社の一員なので、ITを軸としながらも目線は経営・ビジネスです。
特定のIT専門分野の第一人者になることよりも、会社経営に貢献したい!という想いがある方は、社内SE向きと言えます。
社内SEに向いていない人の特徴

反対に、社内SEに向いていない人の特徴は以下のとおりです。
以下に多く当てはまる方は、社内SEは「やめとけ」という意見におそらく該当するため、ご自身の判断材料としてもらえればと思います。
ITスペシャリストとして専門領域を深めたい人
ITスペシャリストとして専門領域を深めたい人は、社内SEには向いていないでしょう。
なぜなら、社内SEは特定のスペシャリストになるよりも、事業会社の一員として幅広くビジネスに携わるポジションだからです。
たとえば、「自分はデータベーススペシャリストとして第一人者になりたい!」という明確なスペシャリスト志向がある人は、IT技術者としての道を歩んだほうが良いです。
対人コミュニケーションに強いストレスを感じる人
対人コミュニケーションに強いストレスを感じる人は、社内SEになると苦労する可能性が高まります。
社内SEは、社内のさまざまな部署とコミュニケーションを取ります。
さまざまな部署のなかには、ITにまったく詳しくない人や高圧的な人、自分の部署のことしか考えていない人が存在します。
そのような人々とも、うまく関係性を保っていかなければなりません。
仕事と割り切って波風立たないコミュニケーションを取れる人は問題ないですが、コミュニケーションが強いストレスになる人は注意が必要です。
ワークライフバランスよりも仕事を優先して働きたい人
社内SEの魅力の1つは、ワークスタイルバランスが図りやすいことです。
それは裏返すと、労働時間があまり多くない状態を指します。
人生における優先順位は人それぞれですので、仕事・キャリアアップを優先して突き詰めていきたい人には、社内SEは物足りなさを感じる仕事になり得ます。
「仕事を最優先で頑張っていきたい!」「他の人に負けないように、ITスキル向上にフルコミットしたい!」というモチベーションが高い人は、社内SEよりも適したポジションがあるでしょう。
まとめ:必ずしも社内SEは「やめとけ」とは限らない

今回は、社内SEは「やめとけ」というネガティブな情報の実態を把握したい方に向けて、以下のポイントを解説しました。
・社内SEは「やめとけ」と言われる5つの理由
・社内SEで働く魅力
・社内SEに向いている人の特徴
・社内SEに向いていない人の特徴
ITスペシャリストとして専門領域を極めたい人には、たしかに社内SEは不向きと言えるでしょう。
しかし、幅広くビジネスに関わりたい方やワークライフバランスを重視する方には、社内SEは適していると言えます。
以下の記事で「社内SEになって後悔したこと」や「SIerとの違い」などについて詳しくまとめていますので、合わせてご覧ください。
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